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2012 12 03 バックグラウンド

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現在ソウルで開催されている日韓現代建築交流展のタイトルは「同じ家,違う家」.
来週のクロージングディスカッションでは,日本と韓国の建築の似ている部分と違う部分について議論がなされる.その差異のなかで私が関心があるのは,建築家のバックグラウンドについてだ.

今回の5組のうち韓国サイドのほとんどは留学し,国際的な建築家の下で働いた経験を持つ一方で,日本サイドは皆が留学経験があるという訳ではない.それが作品にも反映していて,韓国側のものは,様々な国や地域の影響が混合している印象を受けるが,日本側は国内的な問題意識や価値観から建築ができているように思う.乱暴に言えば,国際的な流れか,国内的な流れかの違いである.そのどちらが良いか悪いかということではなく,私が興味を持ったのは,韓国側が日本側の状況を羨んでいたことにある.

韓国都市部では,住宅に占める集合住宅の割合が日本に比べ多く,一方で戸建住宅は少ない.戸建住宅は,施主のキャラクターや土地といった設計条件,コスト,法規制などが,集合住宅に比べると緩い場合が多く,結果的に実験的な作品が多くなる.韓国に比べて日本の若手の建築家は,そのような機会に恵まれているというのだ.特殊な日本の社会状況が,日本の建築家を作る.

確かにそうかなと思う一方で私は,日本のガラパゴス化した家電製品のことを思う.もともと世のなかの建築の大部分は建築家の仕事によるものではないが,その狭い建築家の仕事という範疇の中でさえ,今日本は世界的に見るとずいぶんと特殊な状況にある.10年と少し前,私たち世代が学生だった頃は,今の韓国の建築教育事情にもう少し近かった気もする.現代は国内にたくさんの参照すべき優れた建築が存在している.建築は基本的に一品生産品であるが,この現在の日本の特殊さを,さてどう考えようか.

写真は,展覧会のブックレットの1ページ.
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