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2012 06 12 建築について考えること 人について考えること

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最近,五十嵐大介の幾つかの作品と,ユクスキュルの「生物から見た世界」を読んだ.
五十嵐大介の物語には,自然の複雑さと人間の感覚を主題として,私たちがいかに豊かな世界に包まれているのかが表現されている.ユクスキュルの本は科学の古典であり,生物によって知覚できる世界像は異なり,この世界は,種ごとに全く別の捉え方をされているという話.

これらを読んで,今まで自分がうまく説明できなかった概念が,少しずつ言葉にできるようになってきた.
建築について考えていると,人の感じ方や,物事の関係性を避けて通ることは出来ない.例えば,この天神山を説明しようと思ったら,平面や断面だけで語れるわけはなく,またコンクリートや土や植栽について述べた所で,それは物事の一断面でしかない.この天神山で展開されている物事の本質は,環境に対して人間がどのように関わり,いかに自らの内面と現実の環境世界を行き来しているのか,という時空間の物語にある.道具も,クルマも,建築も,都市も,人間を考えること無しには成立しない.本田宗一郎さんの「技術研究所は、技術を研究する所ではなく人間を研究する所」という言葉そのままだ.

結局,建築を考えながら,人間について考えている.
そのことを伝えられる言葉をもっと持たなくては.