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2012 06 03 滅びる本

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天神山の屋根の強化ガラスは,飛散防止フィルムが貼ってあるため紫外線を遮断するが,壁の開口は単板ガラスなので,悪い光も抜けてくる.

夏は北西に日が沈むので,北向きの本棚に,壁の開口を抜け夕陽が射す.
背表紙たちはじりじり焼かれ,まるでどこかの人が住まなくなった屋敷の本棚のようにじわじわ退色してゆく.

印刷方法によって色褪せ具合も異なり,みるみる黄色くなる本もあれば,買った当時と同じ彩度の本もある.いつしか本棚には,その退色の具合によって,新本と古本が同居しているように見えはじめ,年輪や地層のような,時間を感じさせる風景の一つとなる.浦島太郎の玉手箱のように,紫外線は時間を早回しする.
植物や人間と同じく,本も家具も電子機器もやがては滅びる.ときどき過酷なこの環境では,生命もモノも,皆同じように歳をとってゆくだろう.そして,今しかない一瞬一瞬の風景の大切さに気付くのだ.
滅びるものは美しい.
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