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2010 09 06 蝶とガラス

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工事中のガラス屋根の建物の中で,ちかごろ蝶をたくさん見かける.
あげは蝶,せせり蝶,たては蝶・・・
いろんな種類の蝶が舞い,暑さに負け,やがて地面に落ちてくる.

まだ,窓が嵌っていない箇所があるから,
間違って一度入ってくると簡単には抜け出せない.
そしてこの建物の全面ガラスの屋根が,上昇する蝶の行く手を塞いでしまう.

懸命に体当たりして,もがけども,すぐそこに見える向こう側には辿り着けない.
ガラスは閉鎖的で残酷な材料だ.
飛び散る美しい羽の粉と,消耗する蝶の体力.


もしも自分が蝶のように飛びまわれるなら,屋根をガラスにはしない.
人間は平面の上に生活する生き物だから,空を下から眺めることが出来る.
触れられる場所のガラスと,触れられない場所のガラスの違いは大きいと思う.

自分が行けない場所なら透明でもいい.
蝶には悪いが,そう思ってしまった.
そしてこれは色んなことの隠喩かもしれない.
 
建物,完成したら,もう入ってこられないように,きちんと網戸はめるから.
(mixiより転載)