Entries

2011 10 29 中銀カプセル

111029.jpg

今日は東京.
森美術館のメタボリズム展とナカダイの西麻布工場レセプションへ.写真は屋外展示の中銀カプセルユニットの一室.

私は10年ほど前,中銀カプセルタワービルB棟の803号室に暮らしていた.
この建築は,あらゆる点で普通と異なる.
面積は,トイレ,風呂,洗面まで含めても10㎡に満たない.水道と空調はいくら使っても料金は発生せず,カプセル同士が離れているので隣室からの騒音も無い.さらに中銀はカプセル1個単位で登記でき,カプセルの内外にわたり所有権が発生する.通常の分譲マンションは,外壁や共用部は共有財産なので入居者が手をつけられないが,カプセルの場合は,壁や天井に窓を取り付けることも可能である.

その頃B803号室のカプセルの丸窓の眼前には,ジャンヌーベルの電通ビルが日ごとに積み上がり,やがて東京タワーは見えなくなり,遺跡発掘で更地だった汐留に6万人の都市が生まれようとしていた.そのダイナミックな変化を眺めていたい.私が画策したのは,カプセルの天井にハッチを取り付け,首都高速銀座線を眼下に見下ろす屋上庭園を作ること.メタボリ建築を新陳代謝させ,都市の隙間に隠れ庭を挿入する.目標に向かって最上階カプセルの所有者たちを調べ,依頼状を作り中銀に掛け合った.カプセル単体の値段は2001年当時で600万円程度であった.

結局,カプセルの壁内にアスベストが使われていることがわかり計画は消えた.当時作製した中銀改造計画書は分厚いファイル数冊に分け書棚に保管してある.それは大学時代のメタボリズムの卒業論文からはじまり,中銀改造に夢を見て挫折するまでの一連の記録.

懐かしい気持ちになる展示だった.