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2011 10 26 言葉を探して

事務所開設以来,6年間ずっと考え続けてはいるものの実行できていない計画がある.それは私の両親の家の改築で,案を作っては壊し…を繰り返していたのだが,最近になって迷いが晴れ,案が固まった.

建築を考える際,明快に説明できる規則があると設計し易い.
周辺環境やプログタムから始まり,図式,素材,構造,設計プロセスなど,自らに様々なルールを課し,それに沿って良い答えを求めようとする.この計画案も「これでうまく行きそうだな」と思ったことは何度かあった.だが割り切れない不安もあり,それが何かわからず,そのたび案は振り出しに戻った.

先日,唐突にその不安が何かわかった.自分の設定したルールが内向きなもので,設計ゲームを解いているだけだと感じのだ.おかげで今まで6年かけて設計したものは意味を失ったが,気持ちはずいぶん楽になり,今はもっと素直に作っている.

日本の普通の郊外での暮らし.年を取れば,家のなかに今までの時間が堆積してきているから,改築前後での連続性を大切にした図面を描いた.この感じを現代の感受性で捉え直したいが,うまく説明できない.今までのルールからすると論理的でない図面なのだが,自由な感じはする.
新しい言葉が必要だ.
今日乙庭の太田さんと話して,自分たちが描いたものについて,少し理解できた気がした.きっと様々な人と話す中で,言葉が見えてくるのだろう.

写真は実家のベランダで.
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