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2011 10 13 マークマガジン 萩塚の長屋

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萩塚の長屋マークマガジン34号掲載して頂いた.
記事はカテライネ・ノイシンクさん.33号の天神山に続いての連続掲載

入居者の活気を映した新建築8月号とは違い,こちらでは竣工まもない頃の私が撮影した写真が使われた.春先の冷たい空気が,建物をより静的に見せている.

写真の中でRC壁は,季節や空気の具合によって,暖かくも冷たくも写る.これは,コンクリートという材料が熱を持ち易く,逃がし易いことを人は知っていて,周辺の風景の様子とコンクリートの壁を,一枚の写真の中に一緒に読みこむためだろう.意識しなくても壁の温度感を視覚から感じることができる.石膏ボードやサイディング下地の壁ではなかなか温度までは読み取れず,もっと抽象的な見え方となる.

建築は視覚的な情報として取り上げられることが多い.例えばこうしてヨーロッパの雑誌に掲載されても,実際に萩塚の長屋を訪れ,建築を体験できる方はほんの一握りである.建築が世に伝わるとき,光や影のような写るものだけでなく,そこに流れる香りや温度や音がしぜんと伝わるような,そんな材料,視点,撮影方法,文章,媒体を探し続けている.

私たちが,コンクリートや植物や動画表現を積極的に使うのは,或はそんな側面もあるのかもしれない.