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2011 08 19 明日から中之条で

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中之条ビエンナーレへの出品作品の絵葉書が,印刷屋さんからあがってきた.
生物建築舎は,小阿瀬直氏と,Maniackers Designとの3者恊働で参加している.
作品は3つ.
左から「納屋」,「塔」,「中之条ビエンナーレ インフォメーションセンター」だ.

会期は,明日8月20日から10月2日まで.
時間は,9:30から17:30までの木曜定休.
入場は無料となる.

中之条駅前と,霊山「たけやま」に,我々の作品は展示される.明日のオープニングイベントや9月17日のアーティストトークに参加予定.興味がある方は是非.
ポストカードが欲しい方,天神山に来れば差し上げます.
以下は作品のコンセプト.



「納屋」

中之条町美野原地区にあった農具小屋を移築したものである。
この小さな建築は、長閑な畑に建っていた。何十年か前に人の手で作られたのち、雨風の浸食によって今では芸術的な風体をまとっていたのだが、その美は里山風景に同化し過ぎて、気付かぬ程であった。
人は環境と芸術とを同じ目で捉えることが出来ない。成り立ちが自然のものか、人工かで意味が変わる。形や色や音や香りとなって私たちを愉しませる自然は、しかし、あまりに大きく、厳しく、儚いが故、人の作る芸術とは違うものと刷り込まれる。自然の美を当たり前のものとして受け入れよ、と脳が働き、環境と芸術の境界線を、無意識のなかで引くことになる。だから中之条の風景の中に、数えきれぬ程の美が見過ごされている。
それは例えば、葉脈、甲虫の背中、入道雲、雨音、そして納屋。中之条の納屋たちは自然現象でもないのに、境界線を越えて自然美に変化しているようにさえ見えた。それほど環境に溶けていた。
ここでは、その一つを切り取り真っ白な部屋という枠の中に置き、本来の色と形を際立たせている。それは、魚の鱗の一片の美しさのように不完全に見える。この展示物は、かつて人が生んだものなのに、自然環境から無理矢理剥がした断片にも見え、私たちの意識の下にある環境と芸術の境界線を揺すぶってくる。



「塔」

環境を映す塔である。
幅1000ミリ、奥行0.05ミリ、高さ40000ミリの薄い塔が空気に揺れる。壁面の曲率は絶えず変化し反射像が波を打つ。風に泳ぐ姿は巨大な生き物のようだ。その足下の草むらに祈る人たちがいる。
3月11日のあと、私たちは、より鮮明に未来を描かなければいけなくなった。先に見えるのは、都市の光でも、強固な建造物でもない。それは私たちの身の回りにいつも変わらず存在するもの、地球の動きが生み出す季節や時間や天気、その巨大な力が育む生物の社会。抗えぬ環境のなかで私たちは生きている。これは、流れに身を委ね、刹那の感情を発見するための建築である。
高い岩山に向かって吹く風は、この脆く儚い構造体を幾度も倒壊させるだろう。その度に塔は再建され、風景を映す鏡は生まれ変わる。金属を蒸着した素材は、総合リサイクル業者である株式会社ナカダイから頂いた再利用品で、元はフィルム製造工場からの産業廃棄物ある。輪廻を繰返す塔が映す風景と私たちの関係は動的なものとなる。揺れる景色に沿って見上げれば、そこには岩山と空がある。
古代から霊山として信仰を集めていた嵩山。此の場所には沢山の死者の魂が集まると言う。夕暮れ、麓の塔の下に小さな明かりが灯るとき、それは鎮魂の標ともなろう。



中之条ビエンナーレ インフォメーションセンター」

中之条駅を下車した広場の東側に、このインフォメーションセンターはある。壁、床、天井を白く塗り込めた部屋に、広いテーブルが置かれる。364センチ×728センチ、16畳ほどの面積だ。
この平面上には、ビエンナーレの受付、インフォメーション、ショップ、カフェ、作家紹介などの多様な機能が散らばり、それらをテーブルの輪郭線が一つにまとめている。
私たちは、ビエンナーレのスタート地点を小さな大地に見立てた。50分の1スケールの模型の人々の世界が机上に展開する。出展作家の作品や、ポートフォリオ、フライヤーやコーヒーカップは、テーブル上に屹立する建築やオブジェのように見えはじめる。やがてそれらは街や地形のように拡がり、芸術祭の期間中、机上の大地は絶えず変化し続ける。
中之条ビエンナーレのエリアは600平方キロ余りに及び、点在する作品を包み込む山々と空は、晩夏から初秋にかけ、何処までも広く高く存在しているだろう。各地に散らばる23カ所のラリーポイントにも白く小さな模型たちが居て、その全ては繋がっているように見える。
大きな世界に踏み出すための出発点は、小さな世界だった。ここからガリバートンネルをくぐるように、ビエンナーレの作品空間に没入して行ってほしい。


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