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2011 08 18 グリッド偏愛

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打放しコンクリートにおいて,セパ穴の表現は重要だ.天神山のように穴を埋めず,黒いグリッドが見える場合はなおさらである.

ここでは型枠1枚あたり8つの穴があるが,平面形が不定形な上に,2枚の壁が微妙に内側に傾くため,入隅近くの穴はイレギュラーになってしまう.

だが,どうしても規則正しく並べたい.

まず型枠大工と一緒にパネコートの配列と補強方法のスタディを重ね,押さえ単管パイプの固定の手順と数量,交差のさせ方,鎖補強の位置を4隅それぞれで最適化する.しかしそれだけでは,8M一発打設時の高流動コンクリートの通常の3倍近い側圧に隅部は耐えられない.そこで壁の面内方向で,開口部と隅部を繋ぐかたちで細長い全螺子ボルトを張り,隅部のセパレーターの側圧負担を分散させる.結果88本のボルトは全て製作物となり,現場でミリ単位の調整を行うため1つとして同じものにならない.さらに先端部は打設後わずか24時間で緩め,その後引き抜かれる.いろいろ特殊である.

これらの工夫は目に見えない.だがこの過程を経ることではじめてセパ穴が規則正しく並ぶ.穴が正しいグリッドにのると,他との取り合いの筋が通る.例えば,鉄骨梁,サッシの方立,鉄の仕切り,本棚,ひのきの箱,換気扇など,様々な要素は実は,壁のグリッドと無関係ではない.その関係性は分かりやすいものもあるし,配列を斜めから見てはじめて読取れる難解なものもある.これは設計者ならではの楽しみであり,謎掛けのような寸法が幾つも隠れている.おそらくスタッフも全ては気付いていまい.

セパ穴を見て,その整然さに嬉々とする.
はたから見たら,不思議な光景かもしれない.
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