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2011 07 15 土

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土について

室内にも地面があるのが,天神山の特徴.真砂土という名の土を突固めて床にしている.歩いても埃がたたず,風合いは昔の農家の土間に似る.

この床は透水性があり,水をかけてもじきに乾く.だから雨の日でも窓を開られるし,仮に結露や雨漏れで床が濡れてもさして支障はない.そもそも,植物を植えた場所には毎日水を撒いている.地面からの湿気は心配だったが,梅雨の季節も表面は乾いていた.コンクリート土間と違い,夏の照り返しや冬の底冷えが少ない.地植えの植物は土中に根を張り,花や葉は散ったあと土に還ることができる.踏み心地は膝にも優しい.良いことばかりの様に聞こえるが欠点もある.それは素足で歩けないこと.

家の中で靴を脱ぐことは,清潔に暮らす上で重要だが,一方で,建物の中と外の間に決定的な境界線を引くことにもなる.それは床の素材に限った話ではなく,空気や雨や虫やセキュリティなど,建築の境界を意識させる要素は無数にある.境界線は無くしたくても,無くなりはしない.
例えば土は最も原始的な材料だが,そこを素足で歩くのが憚られるのは,人の身体が今の生活様式に合わせて変化したことの表れだ.現代の建築は,現代人の身体と道具に合わせて作られている.いくら建築で初原的な状態を目指そうにも,人の生活自体が変わらねば,建築との間に齟齬が生じる.
私たちは便利さを捨てられない.天神山では,この建築にどこまで生活を合わせられるか,自分たち自身を試しているのかもしれない.目指しているが辿り着けない風景と,どう向き合うかを考える.

土に話を戻せば,ここで大切なのは機能面ではなく,真砂土を通して両足が大地に繋がっている感覚であった.それが例え素足でないとしても.
大きな地面の上にいる,自らの小ささを感じるのは心地よい.
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